ライブラリの開発に直接関与しませんが、スムーズに開発できる環境を整える手順を記載します。
ライブラリは VSCode で記述 -> ArduinoIDE でコンパイル, 書き込み の流れで開発します。VSCode は拡張機能をインストールすることで、コードの自動整形、スペルチェック、インテリセンスの機能を強化できます。
通常 VSCode で本ライブラリを編集します。以下の写真の手順で VSCode でフォルダを開きます。
code
コマンドで任意のディレクトリ、ファイルを開けます。以下のコマンドで本ライブラリを開くことができます。 開けるとこのようになります。左に表示されるエクスプローラーからファイルを開けるので、そこから編集していきます。
clang-format とはフォーマッタの一種で、コードを自動整形してくれるツールです。整形の設定を詳細に行えるので本ライブラリで採用しています。設定ファイルは UdonLibrary/.clang-format
にあります。コンパイラ基盤 LLVM に付属しています。
以下コマンドで LLVM をインストールします。
拡張機能の設定を開き、実行ファイルのパスを指定します。C:\Program Files\LLVM\bin\clang-format.exe
※環境変数 Path に実行ファイルのパスを追加している場合は、clang-format
と入力するだけで良いです。
設定ができたら自動整形が機能するか、適当にファイルを作成してテストしてみましょう。デフォルトでは Alt
+ Shift
+ F
で整形できます。
この拡張機能はインテリセンスの機能を持ちます。定義先に移動したり、関数名などをホバーすることで記載されている doxygen コメントを表示させたりできます。
定義先に移動するには、c_cpp_properties.json に本ライブラリのインクルードパスを指定する必要があります。
↓ f12
で関数、クラス定義先へ移動できます。
↓ 関数、クラス名をホバーすると doxygen コメントが表示されます。
英単語のスペルミスを検出してくれるツールです。ミスがある場合、修正の提案もしてくれます。スペルチェッカーが知らない単語は辞書に追加することで対応できます。
↓ スペルミス検出の様子
↓ 修正の提案
マイコンの機能に依存しないアルゴリズム系の開発の場合、デバッグのしやすい Visual Studio が便利です。最終的に完成したファイルをライブラリに追加し Arduino IDE でコンパイルできるか確認します。
本ライブラリは Visual Studio で開くのに必要なソリューションファイル (*.sln) を持っていません。そのためライブラリごと開くことはしません。
UdonLibrary/src
下にいい感じに分類して追加UdonLibrary/src
) を Visual Studio のインクルードパスに登録すると、本ライブラリのヘッダファイルをインクルードできます。ツールタブからオプション選択しダイアログを開きます。以下の写真に示すように ClangFormat サポートの有効化にチェックを入れるだけ!
Ctrl
+ K
→ Ctrl
+ D
で整形できます。
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↓ GitHub Copilot による自動補完の様子 (灰色文字)